■初めに
桜の季節になりました。多くのカメラマンがレンズを向けて、撮影を行っています。ドローン操縦者も例外ではありません。先日、長野県内でも桜で有名な上田城址公園の桜のドローン撮影を行いました。実際に飛行には、事前の準備と手続きが欠かせません。
ドローンによる空撮や運用のステップアップやチャレンジをしたい方に向けて、飛行許可・安全確保・トラブル回避のための具体的な準備についてお伝えします。

STEP1 上田城址公園のロケーション確認
まず、飛行場所となる上田城址公園がどんな場所かを知ることが大切です。
この城は真田幸村(信繁)の父、真田昌幸が築いた城で、二度に渡る徳川の軍勢を退けたことから「落ちない城」と言われ受験生や試験に臨む人々が願掛けに来るとか?私も(ドローンが)落ちませんようにと願掛けしています。
そして春には桜まつりが開催されます。つまり、
・「催し物会場上空の飛行」の飛行に該当する可能性がある
・人が多く集まる観光地であり第三者に注意が必要である
・公園は市が管理しており、管理者と調整し許可が必要である
STEP2飛行許可と申請手続き
「包括申請あるから大丈夫!」と思っていませんか?誤解される方もいますが、包括申請は万能ではありません。安易な運用は航空法違反につながります。判断が難しいケースでは航空局へ問い合わせや及び個別申請に切り替え申請することが大切です。
そうはいっても何から始めれば良いか悩む方も多いと思います。以下の手順で考えてみてください。
手順1:航空法に照らし合わせる
航空法が基準です、特定飛行に当たるかどうかを確認します。
手順2:飛行させる場所の管理者の有無を調べる
必ず管理者や所有者がいますので、見聞きして調べましょう。
手順3:実際に場所を見てみる、行けないならネットや地図アプリで調べ直前に見て回る
知らないところを飛行させるのは高いリスクです。
手順4:各種申請を行う
許可承認の申請をするために飛行計画や飛行経路が分からないとかけませんし、管理者や所有者へ許可をもらう説明も手順1~3を行わないとできません。
実際どうだったか?
上田城址公園:“人口集中地区(DID)”に当たります。周囲に建物や人の往来も予想される場所なので“人及び物件から30m以内の飛行”が想定されます。目的が空撮なのでカメラの画面をモニターでみて飛行させるので“目視外飛行”を行います。

今回、最も注意したことは、桜まつり開催期間中の為“催し物会場上空の飛行”に該当するかどうかを明確にすることが重要なポイントでした。
この件は航空局へ問い合わせを行い以下のような回答でした。
全文は長いのですが要約すると
桜祭りは「お祭り」と「花見」が混在し、公園全体が催し物会場に該当する可能性があります。ただし、開演前で人の集まりが少ない条件であれば該当しない場合もあります。最終的には主催者と調整のうえ、申請者の責任で判断してください。
この条件確認の為、主催者や管理者と調整を行いました。
・催し物が行われない平日を撮影日とした
・人通りが少ない早朝に撮影を行う
・第三者上空を避けた飛行経路と飛行計画を作成
大きくこの3点を確認し、DIPS2.0で記載と資料添付し航空局へ個別申請を行いました。また、管理者や主催者からも資料提出求められますのでそちらも提出しました。これは管理者により提出の有無や内容も様々ではありますので、その都度対応が異なってきます。が今回の例を挙げますと
・飛行場所の使用許可書
・飛行計画書
・航空局からの許可承認申請書の写し
・加入保険の写し
・責任者情報や連絡先
前編はここまで・・・・ 後編にてSTEP3からお伝えいたします。実際のロケハンでの苦労話をお伝えいたします。
以下、実際に撮影した動画になります。
アルピコドローンアカデミー講師 中沢智史