2025.10.07
ドローン操縦者必見!国勢調査とDIDの意外な関係
5年に1度の国勢調査の用紙が皆様のお宅にも届いた方もいたのではないでしょうか?めんどくさいなと思うかもしれませんが、長野県民流に言うなら“ずく”だして回答(実は統計法で実施や回答が義務付けられています)、私は15分程インターネット回答で即時完了させました。
この調査結果により、ドローン運用者が知っておくことを今回は記事にしました。
1.DIDとは?
2.国勢調査とドローン運用者が知っておくべきポイント
3.DID更新時期(予想)
4.影響の考察(今後の人口変化)
5.まとめ
- DIDとは?
DID(人口集中地区)とは、国勢調査をもとに人口が集中している区域を定めたものです。基準は「人口密度4,000人/km²以上」「総人口5,000人以上」。つまり市街地や住宅地の多くがDIDに当たります。
国土地理院地図やDIPSの飛行計画通報、各社が提供しているドローン運用のアプリで確認することができます。わたしは、国土地理院地図とDIPSで確認しています。
2.国勢調査とドローン運用者が知っておくべきポイント
ドローンに関わると「DID(人口集中地区)」という言葉を頻繁に耳にしたことがあるはずです。でも「地図で赤く塗られているところ」程度の理解で終わってはいませんか?DIDは、航空法上の飛行ルールに直結し、許可・承認申請で重要な意味を持ちその範囲は国勢調査によって決まります。
航空法ではDID上空を許可なく飛行することは禁止されています。包括申請でDID上空の飛行が許可される場合もありますが、その際は【補助者の配置】や【プロペラガードの装着】など追加の安全要件が必須です。
ただし、以下のような組み合わせ飛行は包括申請では不可、個別申請が必要です。
- DID上空での目視外飛行
- DID上空での夜間飛行(+目視外飛行を含む)
包括申請でそれぞれの許可・承認は得る事ができますが一部の組合せは禁止されています。「包括=万能」ではない点に注意しましょう。
3.国勢調査とDIDの更新
国勢調査は5年ごとに実施された結果をもとに見直されます。
速報は翌年5月に公表され、詳細データは9月以降、さらにDID境界として反映されるのは調査から1〜2年後と過去の結果から推測しています。
DIDの範囲は固定ではなく「国勢調査のたびに動く」ものだと理解して意識して頂くと良いと思います。
4.影響と考察(今後の人口変化)
現在の日本の人口推移や居住地から考察すると
- 都市部では人口集中によりDID拡大、制限される範囲がひろがる傾向
- 地方では人口減少でDIDが縮小し、飛行可能エリアが広がる可能性がある
仕事であれ趣味であれ、自分の活動エリアの人口の動き方を把握しておくことが、航空法で定められた運用に沿った安全で効率的な運用につながります。
人口減少は様々な課題がありますが、ドローンの運用の観点からすると、地方においては運用がしやすくなる利点や可能性があるのではと考えることもできます。その逆で都市部はきつくなる点もあるのかなと・・・ あくまでも私の考察です。
5.まとめ
- 国勢調査によりDIDの範囲が変化し飛行環境が変わる
- 更新は調査から1~2年後に反映される
- DID内では包括申請で対応できない組合せ飛行があり個別申請が必要
- 人口の変化により地方ではドローン運用に有利な点があるかもしれない
今回は国勢調査とDIDについて、私の考察も交えて記事を書きました。
人口減少に伴い流通や農業、防犯等をドローンが担い飛び交う未来が来るかもしれません。現行の法律下で自動飛行や目視外でのドローンの運用を考えたとき、DIDの範囲と人口の変化がどう影響するか、少し飛躍した考察になりましたがいかがだったでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
アルピコドローンアカデミー講師の中沢です。